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2007-04-23

自称「平和主義者」ほど、平気で「投票妨害」できるのはなぜ??<高知・東洋町長選

 前町長が、核廃棄物の最終処理場の候補地に、議会などには無断で立候補した高知県東洋町の話である。あらかじめ断っておくが、 核廃棄物の最終処理場を、どこかに決めなければならないということから生じるさまざまなジレンマについては、察することが余りある。 私も高知にはさまざまな思い入れがあるので、他人事としてこの記事を書いているつもりはない。

 

年10億円より「安心」 選ぶ…高知・東洋町長選(読売 07.04.23)

 年間10億円の交付金よりも、住民は安心を選んだ――。 高レベル放射性廃棄物最終処分場の立地調査応募の是非が問われた高知県東洋町の出直し町長選。 1821対761という大差で推進派の前町長の田島裕起さん(64)を破り、初当選した反対派の前室戸市議の新人、沢山保太郎さん (63)は応募撤回の方針を示し、支援者らは「山や川を今のままの姿で子や孫に受け継がせることができる」と歓声をあげた。 立地調査応募に反対する県や周辺自治体からも歓迎と安堵(あんど)の声が。人口約3400人の小さな町の選択は、 国の原子力政策に大きな影響を与えそうだ。

 沢山さんは同町野根の事務所で、約50人の支持者らと開票結果を待った。午後9時5分、当選確実が伝えられると、 立ち上がって手を振り、大きな歓声と拍手にこたえた。

 沢山さんは「核廃棄物から古里を守るという町民の思いが結実した。早速、文献調査への応募撤回と、 調査の中止を国などに申し入れる」とあいさつ、「町民の大多数が立地調査に反対の意思を示した」などとする申し入れ書案を示した。

 逼迫(ひっぱく)する財政問題については、「節約できるところは節約し、町民の知恵と力を得て抜本的な解決策を講じたい」 と述べた。

 選挙戦では、主婦層を中心とした後援会が町内を87地区に分け、処分場建設反対の署名を集めるなどして支持を広げた。 ボランティアで選挙運動を支援した農業田中桂子さん(59)は「地縁・血縁などのしがらみから脱却し、 自然というこの町一番の伝統を守り抜いた」と笑みを見せた。

 一方、周辺市町村を含め年間最大10億円の交付金を活用した町づくりを訴えた田島さんは同町甲浦の事務所で、 「文献調査の応募が必ずしも最終処分場を誘致するということではないことを訴えたが、町民の方々には届かなかった」と述べた。しかし、 今回の選挙について、「エネルギー政策の是非に対する考えが国民の中に広がったのでないか。 原子力に関する議論を深めるきっかけになれば」と話した。

 町を二分した激烈な選挙戦は、町内に気まずい空気を生み、しこりを心配する声も。 推進派の50歳代の女性は「反対派の人が5人ほど訪ねてきて、反対署名を迫られた。近所の人もいた。署名したが、とても苦しかった」 と胸の内を明かす。

 選挙結果を受け、橋本大二郎知事は県庁で記者会見。「票差が開いたということは、高レベル放射性廃棄物処分場の誘致に、 強い反対があることの証し。国などは、札束でほっぺたをはたくような原子力政策を見直し、もっと民主的、 透明なルール作りを考えればどうか」と述べた。

 隣接する徳島県の飯泉嘉門知事も「(調査を実施する)原子力発電環境整備機構と経済産業省は今回の選挙結果を重く受け止めて、 高レベル放射性廃棄物最終処分施設の文献調査の手続きを白紙に戻していただきたい」とした。

 これに対し、原環機構の山路亨理事長は「田島さんが落選されたと聞き、残念に思う。国などとともに、 なお一層の努力を払っていく」とするコメントを出した。

 

 たまたまとくダネ!でも東洋町のレポートを見ていたが、東洋町では、調査反対派が「核反対!」というスローガンをかかげ、「核反対」 派は黄色のジャンパーを着て選挙運動をし、「核反対」の家の玄関には、「核反対」のステッカーを貼ったとのこと。そんな「選挙運動」が、 高知の田舎町で繰り広げられていた。

>推進派の50歳代の女性は「反対派の人が5人ほど訪ねてきて、反対署名を迫られた。 近所の人もいた。署名したが、とても苦しかった」と胸の内を明かす。

 民主主義社会では「投票の自由」や「投票の秘密(どこに投票するかは秘密にできる)」が保障されているはずなのだが、この通り、 「核」というレベルの話になると、田舎町でも、いや、田舎町ほどと言うべきか、 強制的に反対署名を迫るような選挙運動が、平気で繰り広げられたということだ。これは当然「憲法違反(15条)」レベルの 「選挙違反」のはずなのだが、これまた「田舎だからしょうがない」という価値観でもあるのだろうか。上記の記事でも、とくダネ!でも、 選挙違反については触れられていなかった。

 いちおう、かみくだいておくと、選挙に対してある候補者に投票することを宣言するステッカーを各戸に貼るということは、 そのステッカーを貼らないことは「その候補者には投票しない」ということを暗に示すと他人は解釈する。このことを根拠に、さまざまな「圧力」 や「いやがらせ」をすることが予想できるとき、このような「ステッカー貼り」は、確実に「投票の自由」を侵害している行為なのである。

 実際にとくダネ!でも、家族のうち一人が「核反対」の方に投票すると表明しておきながら、 黄色のジャンパーを着なかったことに関して、「まわりからいろいろ言われているらしい」ということを、そのご家族の一人がおっしゃっていた。 このように、外形的な目印を使うことで、投票に関する圧力をかけたり、結果的に「圧力がかかる」ことは、十分にあるのだ。

 

 私がここで指摘したいことは、なぜ、核レベルの問題であっても、理性的に「対話」を積み重ねようとしないのかという点だ。昨年の、 自民党の中川政調会長による「核武装の可能性を議論として行うべきだ」という発言に対する、マスゴミを中心とした信じられないくらいの 「感情的バッシング」、憲法9条を変えよと言う人間に対する、あきれるほどの「感情的反応」、そしてタイムリーな話題としては、 国民投票法案に対する「平和を望むなら改憲反対のはずだよね!!」という、無根拠な「感情的決め付け」など、自称「平和主義者」による「暴論」や「言論によるバッシング」をはじめとする「暴力的な攻撃」は、枚挙にいとまがなく、 後をたたない。例えばここ数日は、こちらのブログのあまりにもひどい立論やコメントに対する反応に、 私もコメントを書いたが、結局このブログの主は、論理的に自説を展開するどころか、「あなたは評論家ぶってていやなヤツなので、 ここに来るな」的な言い方で必死に私からの質問からも逃げ続けた。

 不思議で仕方がないのは、話題が

・核

・憲法9条

・改憲

あたりになると、自称「平和主義者」が、平気で感情的になり、「非論理的」な発言が平気でできるということだ。 先に挙げたブログだけでなく、あのブログにリンクしている多数の「平和を望む」ブログや、ブログ検索で「改憲反対」や 「国民投票法案に最低投票率を設けよ!」と主張しているほとんどのブログが、結論ばかりを繰り返し叫び、「なぜなのか」という「理由」 をほとんど書いていない。その一方で、反論に対して自説を建て直すこともせずに、無視を決め込んだり、感情的な誹謗中傷を繰り返すのである。

 オイオイ、そんなお前らがいる限り、憲法9条があったって、日本は絶対に平和を維持できないぞ。なぜなら、お前らみたいな 「感情的に豹変する」連中を、国際社会は絶対に信用しないからな。

などと、なぜ冷静に考えられないのだろうか。

 

 一つの可能性として私が推定していることは、どこで身につけたのか知らないが、 「これらのテーマに関してはどれだけ感情的になっても構わない。自分たちの立場や思想が『絶対に正しい』と思いこんで構わないのだ!」 という価値観を、どこかで「洗脳」され、骨身にしみこんでいるいるということだ。そう考えれば、件のブログでの、不思議な 「仲間意識」も、よ?く理解できる。そして、こう考えれば、今回の東洋町での「恐ろしい選挙妨害」も、これまたよ?く理解できるのである。 すなわち、

「核を拒否するためには、このくらいのことをやってもいいのよ!」

と、運動していた連中は、心底「正しい」と信じて、疑っていないということだ。

 

 日本随一の宗教放送であるnews23を始めとして、2chなどでも(これは笑ったが)、ことあるたびに「改憲」と 「軍国主義への回帰」をリンクし続けているが、日本が軍国主義へ傾いていったとすれば、その最重要要因であるはずの

「意見が違う他者の存在を感情的に攻撃してもかまわない」

という「救いがたい心性」を今でも持っているのは、少なくとも最近は、

・核反対!

・憲法を守れ!

と叫び続けている、自称「平和主義者」の方だろう。その証拠のひとつが、今回の東洋町での驚くべき選挙妨害現象だと、私は思っている。

 

 これが、日本人の本性だとは思わない。教育の要因が大きいだろう。そういう意味で、戦後の教育を支えた「平和主義」 という価値観には、大いなる欺瞞が含まれていると私は結論づけざるを得ない。

 

 


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