堀江を必死に擁護するサンプロの姿勢+宮内も今日判決、実刑が出る
今さらながら、録画しておいた18日のサンプロ(サンデープロジェクト)を見た。ほぼ2/3が、 当日朝に堀江を呼んで収録しておいたライブドア問題特集であった。なぜここだけ、いつものように生でなかったのかも気になるところだ。
今後少しずつ詳しく考えていきたいと思っているが、とりあえず気になったのが、番組全体を通して、サブリミナル的なものも含め、しつこく繰り返される「堀江擁護」という方向性である。 以前から「サンプロ(というより田原総一朗)は堀江擁護派だ」という声を聞いたことがあるが、私は、 そう見せかけて堀江をたくさん出演させようという、田原一流の作戦かと思っていた(※)。
しかし、これはどうやら私の思い過ごしであったようだ。以下に挙げるような点で、 サンプロ全体を通して堀江を擁護している印象を受けた。
1. 序盤10分ほどをかけて、「日興コーディアルがなぜ上場維持なんだ!日興がこんな甘い処分なら、 ライブドアがこんなに厳しい処分を受けるなんてありえない!」などと、 「ライブドアを甘く処分しろ」方向のキャンペーンを張る。先週書いた堀江信者の主張と同じである。先週の記事に付け加えるなら、 大谷昭宏などが言っていたように、「日興をライブドア以上に厳しく処分しろ!」 となぜ言わないのか、ということである。サンプロの出演者は、田原も含めて、とにかく「ライブドアを甘く見ろ」 という方向のバイアスばかりかけたかったようだ。大谷のような主張をする論者は誰もいなかった。
2. 次に、あらかじめ堀江を呼んで収録したインタビューの放送に移ったが、あらかじめ司会者が争点と判決のまとめをしていた。 そこでは、
検察…首謀者は堀江
被告側…首謀者は宮内、堀江は状況を認識していない
判決…宮内被告が中心となって計画
とまとめていた。
ちなみに、16日の読売の夕刊には
「堀江が中心的な役割を担い」、
と判決をまとめていたし、同じ朝日系列でも「朝日新聞」 では、
>被告はライブドアの創業者で、当時唯一代表権を有する代表取締役社長であり、筆頭株主でもあって、 グループ不動のトップとして君臨し、絶大なる権限を保持していた。LDMでの架空売り上げの計上については自ら実行を指示。それ以外の犯行も、宮内からの報告、提案を受けて、 これを了承し、最終的な決定をする形で関与している。いずれの犯行においても、被告が中心的な役割を担ったことは否めない。 被告の指示、了承なしには、各犯行の実行はありえなかった。
うーむ。朝日さんでさえ、堀江が「中心的な役割を担った」と記述している。サンプロでのまとめ方だけが、「宮内が中心」 と明言しているのか…。このあたりは、まとめ方として「許容範囲」と言えるのだろうか?
3. 後ろに座っていた高野孟も
「法律のグレーゾーンを開拓していくことに、資本主義のクリエイティビティがある」
という、東大の松原教授の発言を引用し、法律のグレーゾーンを「黒」と判断しようとする検察・裁判官サイドを批判することで、 堀江を擁護していた。 (いくつかやりとりがあった後、堀江は「僕はグレーゾーンとも思っていない」と発言し、 その後を聞きたかったが田原が切ってしまった…残念。)
まあ、ここは「番組としての擁護」と言えないかもな。このあたりの判断は、素人目で見ても、高裁での重要な争点になりそうだ。 というのも、今回の判決は、このグレーゾーンに関して、堀江の行為がもたらした影響の大きさで「黒」と判断したのだと推測できるからだ。 朝日での判決要旨では、 この部分である。
>粉飾した業績を公表して株価を不正につり上げて、ライブドアの企業価値を実態よりも過大に見せかけ、株式分割を実施して、 人為的に株価を高騰させ、結果として同社の時価総額を短期間に急激に拡大させた。一般投資者を欺き、 その犠牲の上に立って企業利益のみを追求した犯罪で、目的に酌量の余地がないばかりか強い非難に値する。
(中略)
>各犯行は、多数の子会社などを擁する企業集団の最高経営責任者である被告や、最高財務責任者である宮内など、 経営陣が自ら直接主導するなどして組織的に敢行された。被告らは見せかけの成長にこだわり、短期的な企業利益のみを追求した。 虚偽情報にほんろうされる投資者への配慮といった、上場企業経営者としての自覚は微塵(みじん)も感じられない。
このあたりの判断を不服として、被告の主任弁護士である高井康行が強く反論したことを、以下の記事にされてしまったわけだが。
「被害者いない」堀江被告の発言に抗議声明(読売 07.03.19)
東京地裁で実刑判決を受けたライブドア前社長・堀江貴文被告(34)が18日に出演したテレビ番組で、 「証券取引法違反ということで、被害者は基本的にはいない」と発言したことについて、 ライブドア事件で損害を被ったとして堀江被告らに損害賠償を求めている株主ら原告側の弁護団と原告連絡会は19日、抗議声明を出した。
声明によると、番組では、堀江被告のほか、主任弁護人も「被害者という言葉の使い方がおかしい。 米国には証券詐欺罪があるが日本にはない」などと発言。声明は 「原告には年金をライブドア株に投資して一瞬のうちに紙切れにされた者も多い。弁護士の発言は現実を見ない暴論だ」などと批判している。
この記事に言及したブログがけっこうあったようだが、私としては、民事では「詐欺」として責任追及すれば良い話だと思う。 今回は刑事裁判であるから、「詐欺罪に該当する」という追及でないにもかかわらず、 あたかも詐欺罪に該当するかのような判決を下したのがおかしいという高井弁護士の主張(これは私なりの解釈だが)は、 論理としてはわからなくはない。あとは法解釈的にはどうかという話になるが、それは今の私にはわからない。
話はずれてしまったが、田原を中心として、 堀江を必死に擁護するような方向性でこの特集全体が作られていたという印象を受けたということを書きたかった。
まあ、以前はライブドア寄りだなぁと思っていた永沢徹弁護士のコメントが、今回の役割ということなのであろうか、 判決を基本的に支持するサイドに立って語っていたのは、サンプロの唯一の良心だったのかも知れない。
そう言えば、速報で、宮内被告にも実刑判決が下りたと報じられた。朝日さんが詳しかった。
ライブドア宮内被告に懲役1年8カ月の実刑判決(07.03.22 朝日)
ライブドアの連結決算を粉飾したなどとして、証券取引法違反の罪に問われたライブドア前取締役の宮内亮治被告(39)に対し、 東京地裁の小坂敏幸裁判長は22日、懲役1年8カ月(求刑懲役2年6カ月)の実刑判決を言い渡した。小坂裁判長は、 宮内前取締役について「粉飾決算を実行した中心人物」と指摘。 16日に同地裁で懲役2年6カ月の実刑判決を受けたライブドア前社長の堀江貴文被告(34)より刑期は短いが、「ナンバー2」 にも実刑判決が下った。
このほか、元代表取締役の熊谷史人被告(29)に懲役1年執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)、関連会社 「ライブドアマーケティング」前社長の岡本文人被告(39)と金融子会社「ライブドアファイナンス」前社長の中村長也被告(39) にそれぞれ懲役1年6カ月執行猶予3年(いずれも求刑懲役1年6カ月)の判決をそれぞれ言い渡した。
判決では、宮内前取締役について、(1)捜査段階から詳細な供述をして事件の解明に協力してきた(2) ライブドアの企業実態とかけ離れた業績予想値を設定した堀江前社長の期待に応えようとして犯行に及んだ、 などの前取締役に有利な理由を挙げたが、「それぞれの犯行の計画実行に至るまですべてを果たした。刑事責任は堀江に準ずるもので、 ほかの被告らに比べてとりわけ重い」として、実刑判決が妥当と判断した。
堀江前社長より刑期が10カ月短いのは、 事件解明への協力や起訴事実をすべて認め、反省している態度などが考慮されたとみられる。
同社株売却益の売り上げ計上について無罪を主張していた熊谷元代表取締役については、「株売却益の売り上げ計上が許されないことを認識しており、故意が認められる」 と述べ、元代表取締役側の「具体的な認識を有していなかった」とする主張を退けた。
判決では、起訴事実をすべて認定。堀江前社長の判決と同様に、 「損失額を隠ぺいするような過去の粉飾決算事例と異なり、投資者に対し、 飛躍的に収益を増大させている成長性の高い企業の姿を示して投資判断を大きく誤らせた。一般投資者を欺き、その犠牲の上に立って、 企業利益のみを追求した犯罪だ」と指摘した。
二審があるとまた変わるかも知れないが、堀江やライブドアに対する民事裁判へのマイナス影響はぬぐえないだろうな…。
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※ 昨年10月くらいに堀江が出演したときも、田原がいろいろおだてることで、「宮内には愛人がいるんですよ、あ、 言っちゃいけなかったか。ヘヘヘ」などの、人間として情けない「失言(そう思わないヤツも多いんだろうな~)」を引き出していた。 このあたりが私がそう思った根拠である。
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